1994年夏。この年、5月にハワイに行って来た。天気が悪い日が多く、思い通りの写真が撮れなかった。もう一度ホノルルに行きたかった。いつもなら、間違いなく、ホノルル行きの飛行機に乗っているはずだった。しかし、このときはロス経由、ラスベガスに向かっていた。思いつきの旅だった。
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初めてラスベガスを訪れたのは、11歳の時だった。ロスから車で半日かかった。とにかく、遠い場所だった記憶がある。ほとんど砂漠のような道を永遠と走る。ロスをでて、最初の休憩で車を降りたとき、初めてここは違う場所だったと気がつく。暑い。とにかく暑かった。砂漠に間違いなかった。遙か昔のその時の気分とまったく同じだった。
ネバタ州に入って間もなく強い日差しの太陽が傾き始めた。車の進行方向が薄暗くなり始めた。ラスベガスに間もなく到着とわかったのは、前方に照らし出される街の明かりだった。人工的な強烈な明るさが遠くに見えた。街全体が明るく浮かび上がっていた。ここはアメリカ大陸の奥地だか、砂漠の真ん中にポツリと街が浮いている。なんとなく、島のようだ。
国際免許を持っていかなかったため、レンタカーを借りられなかった。ハワイのようにはいかないらしい。しかし、そのおかげで街中をたくさん歩いた。強烈な日差しと暑さで途中、さすがにクラクラした。車では一瞬に通り過ぎてしまう場所もゆっくり立ち寄り、カメラを向けた。
モーテルがたくさんあった場所。何となく、治安が悪そうな場所。しかし、看板はきれいだった。360°警戒して、すばやく撮影。そして、その場を後にする。